介護の本

【レビュー】 「丹野智文 笑顔で生きる -認知症とともに-」

こんにちは。

  

現役ケアマネブロガーリョーマ@Ryoma_Sugiです。

 

 

 

りょーま
りょーま
今日は介護職に超おすすめの本を紹介します!

本の概要

  • 単行本: 317ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2017/7/13)
  • 発売日: 2017/7/13

ブックレビュー3冊目は丹野智文 笑顔で生きる -認知症とともに-です。

NHK・ETVやガイアの夜明けなどテレビでも特集された39歳でアルツハイマー型認知症と診断された丹野智文氏の著書です。

感想

 

おすすめ度:

あらすじ

若年性認知症である著者の苦悩、葛藤などが書かれており、そして、それらをどう乗り越えてこられたかが詳細に綴られています。

特に奥様や娘様たちへの告知は、同じく家庭を持つ身として、とても胸が熱くなりました。

また、仕事をバリバリされていた方で、会社との関わり方などとてもリアルに描かれています。特に、彼の仕事術は若年性認知症の方々が働くことの道筋になると思います。

最後の章ではスコットランドの当事者達との交流が書かれています。

ポイント

彼が認知症当事者として発信できるまでに病気を乗り越えられたいくつかのポイントが書かれていたので、まとめてみました。

・家族のサポート

・病気に理解ある上司や同僚の存在

・ノートなど外部ツールを積極的に活用する仕事術

・認知症当事者の仲間達の存在

 

こう見ると、認知症当事者が笑顔で暮らすためには、やはり周囲の理解、ひいては社会全体の理解が大切だと感じますね

 

当事者の目線

ケアマネとして認知症当事者と日々接しているのですが、本音を聞き出すのはなかなか難しいです。特に若年性認知症となるととてもデリケートな関わり方になるので、「認知症当事者の生の声」はとても貴重だと思います。

当事者ならではの面白いと思った視点があったので紹介させて頂きます。

 

※本の冒頭にも書いてありましたが、認知症には色んな種類があり、全ての方が同じ症状ではない事、発信できる当事者はごく一部である事は受け手が理解すべき点かと思います。

「脳が疲れる」

著書の中で「脳が疲れる」という表現が何度も出てきます。

脳の情報処理能力が低くなっているため、TVを見ているだけでも疲れてしまう運転すると疲れてしまう、などちょっとしたことで脳に負荷が掛かりやすくなっているという事です。

脳のリソースが少なくなっているという事は支援者が理解すべき点だと思いました。

 

「誰のための脳トレ」

「認知症予防のための脳トレ」というのは介護業界ではよくあることだと思います。

しかし、著者は「介護者側が、良くなってほしい、という思いからやらせているが、本人にとっては苦痛かもしれない」という話をされており、確かになあと思いました。

著者はそれよりも「本人が楽しいこと」をするべきだと言います。

確かに、その方がよっぽど効果があるかも知れないと思いました。

 

「ケアマネージャーの印象が残っていない」

「家族とばかり話をするので、本人の印象には残っていない」という他の当事者の意見が紹介されており、自分も当てはまるかもと思いました。

また「ケアマネは時間がないというが、十数人のお客様でどうして時間がないのか不思議でなりません」というようなことが書いてあり、利用者にとっては当然ケアマネの書類の多さなどは関係ないんだなあと気づかされました。

普段自分が利用者にどう映っているかを改めて考えさせられました。

 

さいごに

スコットランドのケアマネ(リンクワーカーと呼ぶそうです)は認知症と診断された利用者に、はじめに「これから何がしたいか?」を聞くそうです。

ケアマネとして、家族の意見を聞きすぎてしまったり制度やサービスの説明に終始してしまったり当事者不在になってしまうことが多々あるので気を付けようと思いました。

また、もっと広い視点で、認知症になったとしても彼のように笑って過ごせる社会を作っていきたいと思わせてくれた良書でした。

 

 

色々調べていくと彼の他にも当事者として発信している方々の本を見つけたので、良い本を探していきたいと思います。

当事者達と介護の第一線でしっかりと向き合うために、日々勉強ですね。

 

 

最後までお読み頂き有難うございました!